-O嬢の物語-
SM的な小説のO嬢の物語に、コルセットが登場している。
作者はポリーヌ・レアージュという女性であるが、訳者のあと書きには実際に書いたのは男性であろうと書かれている。
作者の性別がどちらであろうと小説の内容に変りはないはないのだが、個人的には女性作家の手によるものとして読むほうが違和感無く読める気がする。
O嬢の物語は今から50年ほど前、フランスで書かれた小説である。
正確には1954年にパリの書店から刊行されている。
ポール・ポワレが1906年にコルセットを追放してから、48年後のことである。
コルセットは完全に忘れ去られていないが、日常的ではなくなったことであろう。
そして現代の服装史研究家の間でコルセットは、下記に引用したように言われているらしい。
「コルセットを着用した女性は、日常の身体活動に多くの制約を受け生活を送っており、このため社会的に疎外され、専ら男性に従属せざるを得ない、まるでお人形のような無力な存在となっている。
また、コルセットの着用は道徳の美名のもとに男性社会が女性に性差を誇張するため”強制”したもので女性自ら決して望んだものではない。」
という内容になっている。
物語がかかれた頃、コルセットを追放するにあたりこのようなことが、言われていたと推測される。
この物語においてコルセットは、従属であり差別であり強制の象徴としても読み取れる。
コルセットが登場するのは、ロワッシーとアンヌ・マリーの家の2箇所であり、物語のなかの小道具の一つでしかないが、O嬢はロワッシーでの衣装やコルセットに愛着を感じていかに描かれている。
O嬢の物語は官能小説のようであって、それ以上のものでもあり。。
時間を置いて読み返すと以前とは違った発見があり、私にとっては何度もおいしい小説である。
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