-コルセット-
コルセットは19世紀の女性のウエストを細くするための下着である。
かの時代女性の細いウエストは、従順と貞淑の象徴であったようで、日常的に女性はコルセットを当たり前に着用していた。
あの時代の絵画には信じられないほどに細く括れたウエストの女性が、これまたとてつもなく膨らませたスカートのドレスを着て描かれている。
ウエストを細くすることでバストやヒップを強調するだけでなく、深くあいた胸元と大きく広げたスカートで女性らしい体型をさらに強調していた。
19世紀の女性にとって無くてはならなかったコルセットも、1906年にハイウェストのドレスが現れると、ウェストを締めつけたコルセットは、過去のものとなってしまった。
現代ではレトロな存在であり、優美で耽美なイメージさえ抱かせるコルセット。
惹かれてやまないアイテムである。
コルセットでウエストをキュッと括れさせることは、私にとって体型をカバーするだけではない。
拘束感を独りで楽しむ時間でもあり、また象徴的な外郭にもなっていると思う。
19世紀の女性のように日常的に着用し、日々コルセットをきつく締め上げていく行為に没頭はしないけれど、コルセットの拘束感には安心感が伴っている。
海月のようにあやふやな何かが、コルセットで形を得るように感じられる。
もし19世紀のヨーロッパに女性として生きていたとしたら、私はコルセットに愛着を感じたのであろうか?
ウエストを締め上げることに喜びを感じていたのであろうか?
そんなことを考えながらコルセットをはめるけれど、いまだに答えは見つからない。
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