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「間瀬に行くけど行く?」
「間瀬ってどこよ?」
「佐渡島の見えるあたり」
「何しに いくの?」
「走りに行くのさ〜!」
その車は、チビックと呼ばれている。
比較的小さな車で車高も低くしてあり、そう呼んでいるらしい。
イロイロと改造してあるため、乗り心地はお世辞にも良くない。
もっとも miniの乗り心地も、良いとはいえないが・・。
ともあれ市街地を抜けたチビックは、走る。走る。走る・・・。
快調に寺泊まで走った。
夕食は宿に頼んでいないとのこと。
到着予定時間が、わからないため頼めなかったらしい。
宿の近くで、夕飯を摂ることにした。
海鮮丼についてきた蟹の味噌汁は、そりゃあもうかにエキスがしみだして美味しかった。
これならば。。味噌汁に入っている割り箸のようなカニアシも、さぞや旨かろう。
ほくそえんだわたしは、大胆にも殻をバキッと割って、縮まっこいカニ肉を箸でつつき出し口へと運んだ。
あり・・・? ちっとも 蟹の味がしないやんか。
模造品のカニカマのがこれより絶対美味しいぞ〜!
ダシガラのカニ肉は、所詮ダシガラでしかなかった。
期待しすぎた分落ち込んだが、海鮮丼は美味しくいただけて、満足であった。
宿は民宿というのだろうか?
トイレ・洗面所などは、共同のものを使うようになっていた。
お風呂は温泉らしく女風呂の位置を、説明してくれたが良くわからない。
「其処の階段を上がって、あっちら方にある」
らしかった・・・。
部屋は思ったよりも広く。。小さな宴会場にも見えた。
ファンヒーターで部屋を暖めてくいなかったら、さぞや寒々とした部屋であろう。
大き目のちゃぶ台には、湯のみが人数分よりも多く置かれ・・
コードをめいっぱい伸ばして電気ポットが置かれているが、ちゃぶ台には到達できない。
ま・・それだけコンセントが遠いってことは、部屋が広いってことであるんだが。。。
いついけたのかわからない花が、床の間なのか、舞台なのかに・・飾られている。
枯れかけた生木に混じって、造花のポインセチアが、花瓶から生えていた。
とりあえず、化粧を落とそう。
曰くありげにレトロな鏡台に向かう。
たたみに置くタイプの鏡台は、昔祖母が使っていたものと同じである。
べニヤ張りの引き出し。。懐かしくなって覗いてみれば、化粧品が出てきた。
お客さんの残したものなのか?
それともさっき、女風呂の位置を教えてくれた、おばあちゃんのモノなのだろうか?
髪の絡んだ櫛まで見つかった。
ん〜 見なかったことにしよう・・・。
生活感漂う・・宿やなぁ〜。
化粧を落としたら・・、移動疲れを落としに温泉に行こう!
って・・女風呂ってどこよ?
たしか「其処の階段をあがって、あっちら方にある」とおばあちゃんが言っていた。
それらしい階段を上がってみれば、騙し絵にある立体的な迷路のようなつくりであった。
女風呂って・・どこさ(−−;
これじゃ・・説明しようがないのはわかるけどさ〜
せめて・・案内のやじるしくらいあってもええやん。
他の客に不審な視線を投げつけられつつ・・
迷いながら女風呂にたどり着くと、先客がいた。
先客は女風呂の位置を説明をしてくれた、
宿のおばあちゃんであった。。。<(; ^ ー^) マイッタマイッタ
愉快でアットホームな宿である。
翌朝。。だ〜さんは、車いじりである。
わたしはというと。。暇。ひま。ヒマ〜〜!
身支度を済ませたら、何もすることが無い。
だ〜さんの車いじりを、ちょこんと座って見ていた。
車なんざわたしに言わせれば、走るブラックボックスである。
何をいじっているのか、ま〜ったくわからない。
よほど退屈そうに見えたのであろう。
「散歩にでも行ってくれば〜」
だ〜さんの言葉どおり、散歩に出かける。
晴れわたる空は、青く眩しい。
家の近所で見る空よりも、濃い青色をしている。
潮の匂いがほのかに漂ってきた。
昨夜は暗くて気付かなかったが、海が近いのだろう。
散歩がてらお土産を購入。
朝まだ早い時間帯にもかかわらず、お土産屋は活気に満ちていた。
観光バスから人がワラワラ出て、お土産屋を物色している。
早起きな観光客やな〜。
広い駐車場に停められた観光バスの向こう側は堤防であった。
その向こう側は、海のようだった。
秋晴れの空の下、日本海間瀬サーキットへチビックは、元気良く走り出した。
そこでとんでもないハプニングがあるなんて、
知る由も無いチビックは海沿いの道を、お気楽に走っていた。
チビック走る.2・・・へ続きます♪
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チビック間瀬へ.1
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