JALBAS様の小説

母娘螺旋
-Part3- <前編>

 2度目の母娘連縛から、早3ヶ月が過ぎ様としていた。今回は、束紗もゆうかも、あの悪夢を忘れる事ができなかった。それどころか、3ヶ月後の日が近づくににつれて、またあの悪夢が繰り返されるのではないかという恐怖がどんどん高まっていった。束紗はゆうかに、絶対に一人で外出しない様に言って聞かせた。登下校の際も、必ず友達と一緒に居る様に。そして家に帰ったら、しっかりと鍵を掛け、誰が来ても開けない様に言っていた。しかし、一通の手紙によって、束紗は、そんな事をしても全く無駄だと言う事を思い知らされた。
束紗が買い物から帰ると、またしても郵便受けに、差出人の無い一通の封筒が入っていた。その中の手紙には、次の様に書いてあった。
『拝啓、束紗様。この間は突然の訪問にも関わらず、楽しい一時を過ごさせて頂き、真にありがとうございました。そのお礼と言っては何ですが、また新しいゲームを考えましたので、是非束紗さんとお嬢様をご招待したいと思います。明日の土曜日の午後1時に、○○公園の噴水前に娘さんとお二人だけでお越し下さい。衣装はこちらでご用意させて頂きますので、何も持って来て頂かなくて結構です。
尚、この事は他の方には絶対に秘密にして下さい。もちろん警察にもです。そして、必ずお二人だけでいらして下さい。以上の事が守られなかった場合には、この間のビデオ画像と、その前の写真とイラストを、インターネットを通じて全国に公開致します。
それでは、明日、お待ちしております。                怪盗BB   』
「ああっ!.....」
束紗は、床の上に両手をついて、大きくうな垂れてしまった。もう、自分達はこの悪夢から逃げられない。そう、これは終わりの無い、魔の螺旋階段なのだ。自分と娘は、その螺旋階段の上に放り込まれてしまった。もう登ろうが、降りようが、この階段から抜け出す事はできないのである。束紗は、学校から帰って来たゆうかにこの手紙を見せた。ゆうかはショックを受け、部屋に篭ったまま夕飯時になっても出てこなかった。部屋で泣き崩れ、父親のひろしが帰宅する頃には、泣き疲れて眠ってしまっていた。束紗も、食事は喉を通らず、夜も殆ど眠れなかった。
翌日、束紗とゆうかは、BBの指定通りに午後1時に○○公園の噴水前までやって来た。噴水前のベンチに腰掛け、じっとBBが来るのを待った。二人共、一言も会話を交わさなかった。5分程して、ようやくBBが姿を現した。いつもの紫のスーツの上に、黒いコートを羽織っている。おそらく、他に誰も付いて来ていない事を確認していたのであろう。
「お待たせしました。では、参りましょう。」
そう言って、公園の出口に向って歩き出すBB。束紗とゆうかはゆっくりと立ち上がり、BBの後に付いて行く。公園を出たところに、BBの車が停めてあった。BBは車のロックを外し、後部座席のドアを開けた。
「どうぞ!お乗り下さい!」
束紗とゆうかは、言われるままに車に乗り込む。BBはドアを閉め、前に回って、運転席に乗り込む。ドアをロックして、エンジンをかけたところで、ゆっくりと後部座席のゆうか達の方を振り向く。そして、助手席の袋の中から、アイマスクと手錠を2つずつ取りだし、束紗達の前に差し出す。
「お二人共、このアイマスクを付けて、両手を後ろに回してこの手錠をはめて下さい。」
BBの言葉に、衝撃を受ける二人。ただでさえ逆らう事ができないのに、その上自ら自由を封じさせられてしまうのか?だが、抗議をしても聞き入れてもらえる筈も無い。束紗達は、黙ってBBの言いなりになるしかないのである。おずおずと、BBの差し出すアイマスクと手錠を受け取る、束紗とゆうか。アイマスクをかけ、手探りで右の手首に手錠を掛ける。その後両手を後ろに回して、残った左手に手錠を掛ける。屈辱感と絶望感が、束紗とゆうかを包み込んでいく。
「念のため、確認させてもらいます。お二人共、後ろ手の手錠をこちらに見せて下さい。」
束紗とゆうかは、体を捩って後ろ手をBBの方に向ける。
「宜しい!では、出発しましょう。」
BBは前に向き直り、ゆっくりと車を発進させた。

20分程走って、車は停車した。BBは運転席を降り、後部座席のドアを開ける。
「どうぞ!足元にお気をつけてお降り下さい。」
アイマスクを付けているため、降り口見えない。後ろ手に手錠を掛けられているので、手探りもできない。束紗は、足で慎重に探りながら、もたもたと車を降りる。ゆうかもそれに続く。
「さあ、お進み下さい!」
BBは、束紗とゆうかの体を後ろから軽く押す。束紗とゆうかは、BBに押され多少ふらつきながら、のそのそと歩いて行く。
(こ..ここは何処なのかしら?...今回は、いったい何をされてしまうの?.....)
束紗もゆうかも、不安に押し潰されそうになる。目が見えない事が、余計にこれから起こる事の恐怖感を高めていた。
「そこは、段差がありますから注意して下さい。」
BBの言う通り段差があり、束紗は少しつまずいてバランスを崩す。だが、BBが支えてくれたため、何とか転ばずに済んだ。段差を超えると、地面の感触が変り、足音が響く様になる。おそらく、建物の中に入ったのであろう。少し歩いて、BBは二人を止まらせる。直後に、ドアを開ける音がする。
「こちらです。お入りください。」
再びBBに背中を押され、部屋の中に入る束紗とゆうか。二人が部屋に入ったところで、BBはドアを閉める。そして、束紗とゆうかの手錠を外す。
「もう、アイマスクを取って結構ですよ!」
束紗とゆうかは、アイマスクを外して部屋の中を見渡す。殆ど何も無い部屋だが、中は妙に明るかった。壁が、全て白く塗られていたためである。正面には、部屋全体が映し出せるような、大きな鏡がはめ込まれている。その鏡の真中あたりから、何に使うのか不明だが、白い帯のような物が2本ぶら下がっている。そして部屋の中央に、2メートルくらいの長さの横線が引かれていた。この線が何なのか?今の束紗には分かる筈も無かった。部屋の隅には、見覚えのある黒いバックが置かれていた。BBがそのバックのところまで歩いて行き、それを持って戻ってくる。
「では、早速この中の衣装に着替えて下さい。サイズは同じですので、どなたがどちらを着ても構いません。」
その言葉に、束紗は衝撃を受けた。サイズが同じということは、おそらくゆうかの体形に合わせているのであろう。普通、中学生くらいになれば、母親と娘は殆ど体形が同じ位になるであろう。しかし、束紗は女性としては背が高い方であったため、まだゆうかよりひとまわり体が大きかった。サイズの小さい服では、体の線が異様なほどくっきり出て、露出度も高くなる。かえって、下着姿でいるよりも恥ずかしく感じてしまう。束紗は、今にも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。しかし、逃げる事も、逆らう事もできない。あきらめて、束紗はBBからバックを受け取った。
バックの中には、バトントワラーの衣装が2着入っていた。丸首でノースリーブで、金のラメ入りのブルーとピンクのレオタードと、白いロングブーツであった。衣装を見て、思わず赤面してしまう束紗とゆうか。仕方なく、その衣装に着替える二人。束紗がブルー、ゆうかがピンクのレオタードを着る。ゆうかの方はぴったりだが、案の定束紗の方は小さすぎた。衣装はパンパンに張り詰めて、胸の部分ははっきりと乳房の形が浮き出ている。股とお尻の部分も、強烈に食い込んでいた。束紗は両手で胸を押さえ、赤面したままずっと俯いていた。
「はい。それではお二人共、中央の線のところに両足を揃えて立って下さい。」
言われた通り、線のところまで進み、両足を揃えて立つ束紗とゆうか。
「はい。次は、両手を後ろに回して、背中の高い位置で組んで下さい。」
遂に来た。また、そのままじっとしていろと言うのであろうか?不安を抱えながらも、逆らう事のできない束紗とゆうかは、言われるまま両手を後ろに回して、背中の高い位置で組む。
「よろしい。では、そのまま上半身だけ前に倒して下さい。おじぎをするような形です。それで、顔だけは前に向けて下さい。」
この格好には、束紗もゆうかも抵抗があった。BBは今、自分達の後ろに居る。このまま上半身を前に倒すと、BBにお尻を向ける様な形になってしまう。それは、とても恥ずかしかった。だが、どんな恥ずかしい命令にも、従うしかないのだ。そうしないと、自分達が縛られ、慰み物にされている写真やビデオが公開されてしまうのである。束紗とゆうかは、身を削る思いで、上半身を前に倒して顔を上げる。すると、正面の鏡に自分達の姿が、くっきりと映し出されている。はちきれんばかりのレオタードを身に纏い、後ろ手で、お辞儀をしている自分の姿が.......
「いやっ!.....」
思わず、目をつぶってしまう束紗。BBは、そんな束紗の横をゆっくりと通り過ぎ、鏡の前まで行く。そして、鏡の中央からぶら下がっている白い帯を取り、引っ張って束紗の前まで戻ってくる。白い帯の様な物は、太いゴムひもであった。BBは、ゴムひもの先を、束紗とゆうかの顔の前に差し出す。
「お二人共、これを食わえて下さい。」
「な..何故こんな物を?....」
「これから説明します。さ、早くして下さい!」
どの道、束紗達は従うしか無い。束紗とゆうかは、BBの差し出すゴムひもを食わえる。
「んっ!んんんんんっ!」
「おっと、そのまま動かないで!」
ゴムひもの引っ張る力は以外に強く、束紗達は前に倒れそうになるが、BBが二人の体を支えて止める。
「では、ゲームの説明をします。今から15分間、お二人共そのままの状態で我慢して下さい。ゴムを離したり、後ろ手を解いたり、その位置から動いたりしたら失格です。見事15分間、どちらかお一人でもそのままの状態を維持できたら、あなた達の勝ちです。今日はもう、何もしないでお返しします。但し、15分間、私も黙って見ている訳ではありません。あなた達に、多少いたずらをするかもしれません。それにも耐えて下さい。残念ながら、お二人共我慢できなかった場合は、あなた達の負けです。お二人揃って、お仕置を受けて頂きます。」
「んんっ!んーっ!んんんんっ!」
こんな格好で、15分間も辱めに耐えるのは、耐え難い屈辱であった。束紗は、文句のひとつも言ってやりたかったが、ゴムひもを食わえさせられているため、言葉にならなかった。それに、仮に束紗達がゲームに勝ったとしても、本当に何もしないで帰してくれるのか?そんな保証はどこにも無い。だが、それでも束紗達は、ゲームをやるしかないのであった。
「では、始めます!」
BBは、束紗とゆうかを支えている手を離した。
「んーっ!んーっ!」
「んっ!んんんっ!」
再び、ゴムひもに引っ張られ、倒れそうになる束紗とゆうか。それでも、足に力を入れて、懸命にその場に留まる。
(あんっ!だ..だめっ!....すごい力だわ!こんな体勢で、15分間も我慢できるのかしら...ああんっ!)
両足を揃え、両手を背中で組んで、体を前のめりにする。こんな体勢でずっといるだけでも、相当に辛かった。その上、ゴムひもで前に引っ張られているのである。まだBBは何もしていないが、束紗もゆうかも、あと1〜2分ももちそうになかった。
(ああ...どの道、お仕置は免れないんだわ...だったら、こんな苦労はしなくても......)
束紗は、あまりの辛さにゲームを投げ出しそうになった。その時.....
「やはり、もう少し特典が無いと、ゲームに身が入らないかもしれませんね....よし!こうしましょう!もし、あなた達が勝ったら、今までの写真やビデオを、全部あなた達にお返ししましょう!」
「んっ!んんんっ!」
その言葉に、束紗の心は揺れた。本当だろうか?その場しのぎの出任せかもしれない?でも、もし本当に約束を守ってくれるなら?このままでは、どちらにしてもこの魔の螺旋階段からは抜け出せない。ほんのわずかでも、この悪夢から抜け出せる可能性があるなら........
束紗とゆうかは気を取り直し、ゴムの力に必死に耐えた。何とか5分を経過したところで、ようやくBBが動き始めた。
「5分経過!あと10分です、がんばって下さい。ここから、私も参加させて頂きます。」
BBはゆうかに近づいていき、彼女の胸に手を当てる。
「んっ!んんっ!」
そして、ゆうかの胸を揉み始めた。
「んんんっ!んんっ!んっ!んーっ!」
ゆうかは、体をくねらせて悶え始める。うっかり口を開いて、声を出しそうになる。足は震え始め、前に引っ張られそうになる。後ろ手も、つい解いてしまいそうになるが、それらを懸命にこらえている。
「んんんっんっ!んーっ!んんんんっ!」
束紗がBBに、何かを訴える。”責めるなら自分を責めて”とでも言っているのだろうが、ゴムを食わえているため言葉にならない。BBは、更に激しくゆうかの胸を揉み、乳房を強くつねる。
「んっ!...はあああああんっ!」
とうとう、ゆうかは声を上げてしまう。ゴムひもは、勢い良く鏡に向っていき、大きな音を立てて鏡にぶつかる。
「残念!ゆうかさんはここで失格です。」
ゆうかは、後ろ手前屈みの姿勢のまま、束紗の方を振り向く。その目は、涙で潤んでいた。
「ご...ごめんなさい...お母さん....」
「んんっ!んーっ!んーっ!」
束紗は、優しくゆうかを見詰め、首を横に振った。
(いいのよ!ゆうかちゃん!...あとは、お母さんに任せて!必ず..必ず耐えてみせるから.....)
「さて、今度は束紗さんの番ですね。」
BBは、ゆっくりと束紗に近づく。そして、束紗の胸を揉み始める。
「んんんっ!んっ!んっ!」
束紗は身を捩り、悶え始める。つい声を出してしまいそうになるが、ぐっと歯をくいしばる。BBは、徐々に胸を揉む手に力を入れていく。
「んっ!んーっ!んふんっ!」
足を踏み出さない様、後ろ手を解いてしまわない様、束紗は両足と両手に力を込めようとする。しかし、BBに激しく胸を揉まれるたびに、力が抜けていってしまう。ふと、鏡に映った自分の姿が目に入る。張り裂けそうな、パンパンのレオタードを着せられ、縛られている訳でも無いのに後ろ手高手小手の姿勢をさせられ、前屈みになって張り詰めたゴムひもを食わえさせられ、体にいたずらをされながらも必死でその姿勢で耐えている。何とも恥ずかしい姿である。耐え難い屈辱感が、責めと一緒に束紗に襲いかかってくる。恥ずかしい!直ぐにでも逃げ出したい!でも逃げられない!羞恥心、屈辱感、絶望感が束紗脳裏に渦巻いていく。
「お..お母さん....」
ゆうかは、後ろ手前屈みの姿勢のまま、ずっと母を見詰めている。もう失格となったゆうかは、この姿勢で耐える必要は無いのだが、一人で必死に耐えている母にすまないと思うのか、そのままの姿勢で懸命に母を応援していた。
(あんっ!恥ずかしくても、耐えなくっちゃっ!...これに耐えぬけば、この悪夢から抜け出せる...ゆうかの為にも、がんばらなくっちゃっ!はああんっ!)
「がんばりますねえ。あと5分です。」
鏡には、さかんに身を捩りながら、懸命に後ろ手のまま耐える束紗が映っている。実は、またしてもこの鏡はマジックミラーになっていて、鏡の向うの部屋には、興奮しきってこの光景に見入っている一人の男の姿があった。そう、束紗の夫であり、ゆうかの父であるひろしである。当然の如く今回のプレイも、ひろしの依頼による物であった。そんな事とは知らない束紗は、鏡に映る自分の恥ずかしい姿を見て、夫のひろしにだけはこんな姿を見られたくないと思うのであった。

(後編へつづく)


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