JALBAS様の小説

母娘螺旋
-Part1-

 買い物から帰ってきた束紗は、郵便受けに宛名だけ書かれた封書が入れられているのを見つけた。おそらく、差出人が自分で持って来て入れたのであろう。切手や消印は無く、住所も差出人名も書いて無い。ただ、”束紗様”と書かれているだけである。 束紗は家に入り、荷物を片付けてから、キッチンの椅子に腰掛けて封書を開けた。しかし、その内容を見て、思わず立ち上がってしまった。 『拝啓、束紗様...突然ですが、あなたのお嬢様をお預かりしました。ただ、ご心配なく。お嬢様にはまだ何の危害も加えておりません。もし、このまま無事お嬢様を返して欲しいのであれば、本日14時に、○×公園の噴水の前まで、私の指定した服装を着用してお一人でお越し下さい。私の指定する服装とは、あなたが学生時代着用していた、体操着とブルマです。あなたが、それをちゃんと保管してあるのは調査済みです。私の目的はお金ではありません。あなたがその格好をして来て頂き、私のお願いを少し聞いて頂ければ、それで結構です。但し、この事は、決して誰にも、もちろん警察にもご内密に願います。もし、それが守られなかった場合、お嬢様がどうなっても保証はできません。この事が狂言ではない証拠に、お嬢様のお写真を同封致します。......怪盗BB』 封書には、この手紙と、一枚の写真が同封されていた。その写真には、セーラー服姿のまま厳しく後ろ手に縛り上げられ、猿轡を噛まされた娘のゆうかの姿が写っていた。可哀想に、その目は脅えきっていて、涙で潤んでいた。束紗は両手をテーブルについて、頭を垂れてしばらく黙り込んでいた。
(ど..どうしてゆうかが?...いったい、犯人の目的は何なの?犯人は誰?何故、あたしの事を詳しく知っているの?...)
いろいろ思いを巡らせたが、一向に犯人の目星も、目的もつかめない。ふと時計を見ると、もう13時を回っている。○×公園までは30分は掛かる。直ぐに準備をしないと間に合わない。とにかく、娘の無事が最優先である。束紗は直ぐに支度を始めた。押入れの奥から、学生時代の服装がしまってある収納ボックスを取り出す。物持ちのいい束紗は、学生時代の服装も捨てずに取っておいた。しかし、犯人は何故この事を知っていたのか?束紗はボックスを開け、その中から、純白に赤い淵どりの体操シャツと、紺のブルマを取り出す。そして、姿身の前で、服を脱いでその体操着とブルマを着用する。さすがに、今の束紗にはその体操着は小さく、シャツは捲れ上がってお腹が見えるし、ブルマは股に食い込んでハイレグ状態になってしまった。
(やだ....は..恥ずかしい.....)
しかし、BBの指定した格好をしていかないと、娘がどうなるか分からない。束紗は仕方なく、その上にコートを羽織り、○×公園へと向かった。 ○×公園の噴水の前まで着て、ベンチに腰掛ける束紗。通り掛かる人達は、不思議そうに束紗を見ていく。少し涼しくなったとはいえ、この時期にコートを着込んでいるのは、いささか異常であったためである。14時になったが、それらしい人物は現れない。しかし、束紗は待つしかなかった。5分程過ぎて、束紗の前に一人の男が現れた。やや細っそりとした、背の高い男で、黒いスーツに黒い帽子をかぶり、黒のサングラスをしている。
「お待たせしました。本当にお一人で来られたか、確認させて頂きました。私がBBです。」
「は..本当に誰にも話していません!娘に..娘に早く会わせて下さい。」
束紗は立ち上がり、物凄い剣幕でBBに詰め寄る。BBは、右手で束紗を制止して、ゆっくりと話し始める。
「落ち着いてください。そんなに騒がれては目立ちすぎます。そうなると、娘さんに会うことも出来なくなりますよ....」
束紗は、はっと我に返り、周りを見渡す。皆が、何事かという様に、束紗とBBを見ていた。束紗は唇を噛み締めて、ゆっくりと俯いた。
「わかって頂けた様ですね。では、ご案内します。こちらへどうぞ。」
BBに連れられ、束紗は公園を出る。公園の脇に、一台の車が停められていた。BBはその車の助手席のドアを開け、束紗に乗る様に促す。束紗は言われるまま、助手席に乗り込む。BBは助手席のドアを閉め、運転席側に周り、車に乗り込む。
「ところで、私の指定した格好はして来て頂けたのでしょうか?」
「は..はい...」
束紗は、恥ずかしそうに答え、コートのボタンを外して、その中の格好をBBに見せる。
「...結構...では、参りましょう。」
BBは、車を発進させる。束紗は、何故BBが自分の事を知っていたのか聞きたかったが、今は娘に会うことが優先のため、はやる心を抑えていた。 車は、郊外の廃屋の前に停まった。何かの会社があったのだろうが、今は使われていない鉄筋2階建ての建物だった。車を降りた束紗は、BBに促され、建物の中に入って行く。中は、昼間だというのに非常に薄暗かった。廊下の突き当たりの部屋のドアを、BBが開ける。束紗は部屋の中に入る。 「ゆ..ゆうかっ!」
「むーっ!むむむむむんっ!」
部屋の中には、セーラー服姿のままで厳しく後ろ手に縛り上げられ、膝と足首も縛られ、猿轡を噛まされているゆうかが、部屋の中央に置かれた椅子に座らされていた。
「ゆうかっ!」
直ぐに、娘に駆け寄ろうとする束紗。しかしその手を、BBが掴む。
「おっと、まだ娘さんを返す訳にはいきませんね。束紗さんには、もうひと仕事やっていただかないと...」
「こ..この上何をしろって言うんです!お金が目的では無いと言ったじゃありませんか!」
「ええ、お金が目的ではありません!...目的は、あなたです!」
「え?!....ど..どういう事ですか?」 「まず、そのコートを脱いでください。」
「え?...む..娘の前でですか?そ..それだけは....」
「いう事を聞いて頂けなければ、娘さんを返す訳にはいきませんね....」
少し俯いて考え込んだ束紗だったが、仕方なくコートを脱ぎ始める。コートの中から、胸は張り詰めお腹が見えている体操着と、股に食い込んだハイレグブルマ姿がゆっくりと顔を出す。
「むーっ!むふううううううんっ!」
母の恥ずかしい姿に、思わず声を上げるゆうか。しかし、猿轡のため、何を言っているのか分からない。束紗は恥ずかしさで、顔を上げられなかった。両手で胸を抑え、じっと俯いたままだった。
「いやあ、すばらしい。やはり束紗さんのブルマ姿は最高です....さあ、それでは、両手を背中で組んで下さい!」
「え?!」
束紗は驚いて顔を上げる。こんな恥ずかしい格好をさせられた上、更にゆうかと同じ様に、後ろ手に縛り上げられてしまうというのか?そんな事は、とても我慢できそうになかった。
「お嫌ですか?...それでは残念ながら、娘さんはお返しできませんね。」
束紗は悩んだ。一瞬、今の格好で縛られた自分を想像し、恥ずかしくて顔が真っ赤になった。しかし、ゆうかを助けるには言う事を聞くしかない。今ここで、この男と争っても、勝てる自信は全く無かった。それに、男の仲間が居ないとも限らない。下手な事をして、ゆうかにもしもの事があったら....そう考えると、BBの言うがままにするしかなかった。
「わ..分かりました....」
搾り出した様な小さな声で答え、束紗はゆっくりとBBに背中を向け、両手を後ろに回して背中で組んだ。
「いや結構、それでは縛らせて頂きますので、しばらくそのままじっとして下さい。」
「は..はい....」
束紗は、恥辱感と屈辱感に押し潰されそうになっていた。しかし、この後に更なる恥辱が待っていようとは、今の束紗には知る由も無かった。BBは、後ろ手に組んだ束紗の両手首を、更に高い位置までねじ上げた。
「あっ!ああんっ!」
軽い痛みが、束紗を襲う。その手首に、BBは容赦なく縄を掛けていく。縄は胸の上下にも回された後、後ろ手でがっちりと縛り上げられる。そして、膝にも厳しく縄が掛けられる。束紗は、恥ずかしいハイレグ臍だしのブルマ姿で、厳しく後ろ手に縛り上げられてしまった。シャツが小さい為張り詰めている胸は、縛り付ける縄で更に強調され、乳房の形がくっきりと浮き出している。
「あんっ!...こ..これでもう十分でしょ!...は..早く娘を離して下さい!」
「束紗さん、あなた少し勘違いしていませんか?あなたは今、私に命令できる様な立場にあるんですか?」
「あん!..そ..そんな?...あたしが言う事を聞けば、娘は助けてくれるって言ったじゃないですか?」
「ええ、言いましたよ。夜までには、お二人とも間違いなくお帰し致します。でも、もうしばらくの間、お二人とも私に付き合って頂かないと....」
そう言って、BBは束紗の縄尻を持って、束紗をゆうかのところまで歩かせる。
「むふうんっ!むっ!むむむむんっ!」
「あんっ!ゆうかちゃん!...はんっ!」
縛られた体を捩り、涙目で母に語りかけるゆうか。束紗も縛られた体をくねらせ、ゆうかに寄り添おうとするが、BBに縄尻を引っ張られてしまう。
「ふふふ...焦らないで、これからたっぷり寄り添わせてあげますから...」
BBは、あらかじめ天井から吊り下げておいた縄を、束紗の後ろ手に結びつける。足は地面に着いているので吊られている訳では無いが、強引に立たされた形になる。そして、BBは束紗の足首にも厳しく縄を掛ける。
「娘さんにだけ猿轡をしてあげて、お母さんにしてあげないというのは不公平ですよね。」
「な..なにを...むっ..むむむむんっ!」
BBは、束紗の口にガーゼを押し込み、その上から厳しく猿轡を噛ませてしまう。
「さあ、こんどはお嬢ちゃんの番だよ!」
「むふんっ!むんっ!むむむむんっ!」
BBは、厳しく後ろ手に縛り上げられているゆうかを、束紗と背中合わせに立たせ、天井から吊り下げてあるもう一本の縄と、ゆうかの後ろ手をしっかりと結ぶ。束紗とゆうかは、厳しく後ろ手に縛り上げられ、お互い猿轡も噛まされ、背中合わせに立たされた形で固定されてしまった。
「ふふふ...母娘連縛のできあがりです。では、記念に一枚...」
BBは、おもむろにデジカメを取り出し、連縛された束紗とゆうかの姿を一枚撮る。
「むんっ!むふうんっ!むむっ!」
「むーん!むーん!むん!むむむんっ!」
何やら必死に訴えている、束紗とゆうか。”撮らないで”と言っているのであろうか?
「さて、私はちょっとした準備があるので、少しの間失礼します。おとなしく待っていて下さいよ。」
そう言って、BBは部屋を後にした。
(あん!い..今の内に、何とかして逃げ出さなくっちゃっ!..ああん!ゆうかちゃんっ!)
「むふんっ!むんっ!むむっ!」
束紗は、首をゆうかの方に向け、目で何事か合図を送る。そして、後ろ手の不自由な手首を、ゆうかの手首の方に伸ばす。ゆうかは、母の意図を察知し、できるだけ、体を束紗に近づける。
「むんっ!むふうんっ!んんっ!」
束紗の手が、何とかゆうかの後ろ手の結び目に当たる。その結び目を掴もうとするが、高手小手にねじ上げられた上、縄で厳しく締め付けられているため力が入らず、結び目を掴む事ができない。
(ああん!だめだわっ!.....)
その後、何とか縄が緩まないか、二人で懸命にもがいたが、縄は全く緩む事は無かった。そうしている内に、BBが戻って来てしまった。BBは数本の麻縄と、画材道具の様な物を持ってきた。
「おとなしくしていましたか?どうせ今の内に逃げようと、懸命にもがいていたんでしょう。でも、無駄ですよ。私の縛りは、そんな短時間じゃ絶対抜けられませんから....」
全て見透かしたBBの言葉に、束紗もゆうかも、力なく俯いてしまう。BBは画材道具を置き、麻縄を持って束紗達に近づく。
「どうですか?厳しく後ろ手に縛り上げられた気分は?今、もっと気持ちよくしてあげますからね。」
BBは、手にした麻縄に小さな瘤を作り、それを束紗の股に掛けていく。
「むーっ!むんっ!むふうううううんっ!」
あまりの刺激に、声にならない悲鳴を上げ、激しく悶える束紗。BBは構わず、股だけでは無く、感じ易い所にも瘤つきの縄を掛けていく。
「むふうんっ!むん!むん!むむむむむんっ!」
「むーっ!むーっ!むんっ!むんっ!」
悶えまくる束紗。それを見たゆうかが、縛られた体をくねらせ、必死に何事か訴えている。だがBBは、ゆうかの股にも瘤付きの縄を掛けていく。
「むふうううんっ!んんっ!んーっ!」
「むんっ!むむっ!むふうううううんっ!」
スカートが捲くれ上がり、可愛いピンクの下着が顔を出す。ゆうかも激しく悶え始める。束紗が悶えながら、必死に何かを訴えている。”娘だけは許して”とでも言っているのであろうか?しかし、そんな事を聞いてくれるBBではなかった。結局、母と同じ様に、ゆうかも感じ易いところに瘤つき縄を掛けられてしまう。
「むうんっ!んんっ!うんっ!むむむんっ!」
「んーっ!んんっ!むんっ!むふううううんっ!」
「さて、そろそろ本業に取り掛かりますか?」
BBは、先程置いた画材道具を取り上げる。そして、ゆうかを座らせていた椅子を移動し、そこに腰掛ける。
「私の本業は、イラストレーターなんですよ。緊縛画専門のね!今日は、とてもいい作品が描けそうです。」
「むふうううううんっ!むんっ!むむむんっ!(いや!やめてっ!こんな恥ずかしい姿を描かないでっ!)」
「むんっ!むむむんっ!むふうんっ!(あん!助けてっ!パパっ!)」
縛られた体を捩じらせて、懸命に哀願する束紗、父親に助けを求めるゆうか。その言葉は、全て猿轡にかき消されてしまうのであった。 束紗達の縛られている部屋には、部屋全体が映しだせる様な大きな鏡があった。実はこの鏡マジックミラーで、隣の部屋には興奮して、この様子を食い入る様に見ている一人の男の姿があった。それは、束紗の夫であり、ゆうかの父である、ひろしの姿であった。

(おしまい)


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