ラーセン国のエージェント・ツカサはバイロン社会主義連邦に潜入していた。
「これだわ、ジィィー、カシャ!これさえ手に入ればもう用は無いわ」
ツカサは胸元に隠し持っていたデジカメで機密文書を撮影した。
「これでバイロン総統の野望も水の泡ね。さっ!脱出しなきゃ!」
ツカサはデジカメを胸元に入れて逃亡を図る。
「よし、もう直ぐ出口だわ。迎えのヘリが来ている頃ね」
「バタバタバタ・・・・・」
出口に近付くツカサの耳にヘリのホバリングの音が聞こえた。
「待てぇええ!お前達、あの女を捕らえろ!」
ツカサを追って警備兵が大勢掛け付けた。
「バーン!」
「きゃぁああ!・・・ドタ!」
警備兵の放った銃弾がツカサの片脚に命中した。
「よし!女を縛り上げろ!」
「はっ!さぁ!観念するんだ!」
警備隊長の命令で警備兵がツカサを縛り始めた。
「痛い!ちょっ、ちょっとう!乱暴にしないでよう!・・・うぐむぐー!」
後手に上半身を縛られ猿轡を噛まされたツカサ。
「隊長!デジカメを奪いました」
「よし、女を連行しろ!」
「はっ!・・・さっ!早く歩け!」
ツカサの背を押す警備兵。だが、一瞬の隙を付いてツカサは出口に駆け出した。
「あっ!追うんだ!」
「タタタタタタタタタ・・・・・・・」
出口の外に飛び出したツカサ。しかし、その捕縛された姿を見たヘリは上昇した。
「むー!うー!むむんー!・・・・・」
言葉にならない声で必死に叫ぶツカサは高い塀の傍でもがいていた。
「むふふ、そこまでの様だな。ツカサ君」
その声に瞳を見開き振り向くツカサ。そこにはバイロン総統が立っていた。
「君のその姿を見て任務が失敗と判断した様だな。迎えのヘリは」
「ううー!むんぐー!・・・・」
「君がスパイである事は先刻承知だよ。泳がせて置いたのさ」
「・・・・・・・・・」
「むふふ、君も知っての通りスパイは重罪だ。覚悟は出来ているかね」
「むむー!ううー!むんぐー!・・・」
「警備隊長!彼女を地下の拷問室にお連れしろ」
「はっ!」
「ツカサ君、二度と日の目が見れらい世界に案内してやろう。むふふふふ」
「うううー!むむむー!うんぐー!むんぐー!・・・・・・」
シークレット・エージェントは任務が失敗した時は帰国が許されない。
こうしてツカサは暗い地下の拷問室に逆さ吊りにされて激しい責め苦を味わう。
「END」