JALBAS様の小説

母娘螺旋
-Part5-

 最後の母娘螺旋から、また半年が過ぎていた。束紗の心には、何事も無い事に対するやすらぎと、反対に激しい刺激を求める、二つの感情が同居していた。毎日の生活は平穏で、何の刺激も無い。そのため、刺激をもとめるもうひとつの感情が満たされ切れず、欲求が溜まっていた。
ある日、夫と娘を送り出し、後片付けと掃除を一通り終わらせたところで、束紗は家の出入口や窓に全てカギを掛け、ひとり寝室に篭っていた。押入れの奥から、黒いビニール袋を取り出す。中には、一度は束紗が捨てたものの、B.Bによって返却された、彼女の中学生時代の体操服とブルマが入っていた。束紗は服を脱ぎ、体操服とブルマに着替える。横目に部屋の姿見を見ると、ブルマ姿の自分が映っている。胸は張り詰めて乳房の形がくっきりと浮き出て、お腹も出ている。ブルマもパンパンに張り詰めて、ハイレグ状態になってお尻が飛び出そうだ。
「...やだ....」
自分で着ていながら、束紗は恥ずかしくなり顔を背ける。再び押入れの前に行き、奥から今度は麻縄と白いゴムひもを取り出す。更にタンスの引出しから、ガーゼと手拭を取り出す。その中から、まず1本長い縄を出し、30センチ置きに瘤を作る。それを、大体胸のあたりの高さにして、部屋の端から端にしっかりと張る。次に、白いゴムひもを取り出し、ひもの中央に手首がひとつ通る位の輪を作る。その輪が丁度背中に来る様に胸の上部に回して、手前できつく結ぶ。今度はその上に縄を掛けていく。三重に巻いた後、これも手前できつく縛る。そして縄や手拭を持って立ち上がり、部屋の隅に移動して、張り詰めてある縄を跨ぐ。
「あん!....」
軽い刺激が走る。だが、大声を出してしまいそうになる程のものではない。束紗は、手拭の中央に瘤を作る。次に、ガーゼを丸めて口に入れ、その上から瘤付きの手拭を被せ、頭の後ろでしっかりと結ぶ。そして、今度は膝を縛り始める。全て縛り終わった後、両手を背中に回し、背中にあるゴムひもの輪に、両手首を差し込む。輪は手首ひとつ分の大きさにしてあったため、両手首を入れるとゴムが厳しく締め付ける為、本当にきつく縛られている様な感覚になる。これで、束紗は厳しく後ろ手に縛り上げられ、猿轡を噛まされている状態になった。
束紗は、目の前の壁に目を向ける。丁度目の前に壁には、姿見が立て掛けてある。そこには、張り裂けんばかりのパンパンのブルマ姿で、後ろ手に縛り上げられ、猿轡を噛まされている束紗の姿が映っている。一瞬、恥ずかしくて目をそらすが、その羞恥心で感じて来てしまい、恐る恐るまた姿見の方を見てしまう。そんな事を少しの間続けた後、束紗はB.Bの姿を思い浮かべる。
『さあ、束紗さん。そのまま反対の壁まで歩いて下さい。言う事を聞かなければ...分かっていますよね。』
空想の中のB.Bが束紗に命令を下す。
(ああ...だめ!...逆らう事はできないんだわ....)
自分の妄想に命令されるまま、束紗はゆっくりと歩き出す。
「むふっ!...むっ..むんっ!」
縄が股を刺激して、感じてしまい足が止まる。
『どうしたんですか?束紗さん。早く歩いて下さい。』
妄想の中のB.Bが、束紗に激を飛ばす。束紗は、再びゆっくりと歩き出す。そして、瘤のところに差し掛かる。
「むんっ!むふううううううんっ!」
激しい刺激が股間に襲い掛かる。しかし、足を止める事はできない。束紗は、自分で自分に枷をはめて行く。
『さあ、いつまでもそんなにのろのろ歩いていないで、もっと早く歩いて下さい。』
妄想のB.Bはどんどん辛い命令を課して行く。だが、実際にはそこにはB.Bは居ない。全ては束紗の自慰であった。

それから数日たった、1月22日。この日は、束紗の誕生日であった。今日は夫のひろしも早めに帰宅し、皆で彼女の誕生日を祝う事になっていた。娘のゆうかは、今日は授業が午前中だけで、昼食は家で束紗と一緒に食べていた。
昼食が済み、お茶を飲んでいるところで、ゆうかが束紗に語りかける。
「ねえ、お母さん。実は、あたしお母さんに特別な誕生日プレゼントを用意してあるんだけど....」
「あら、本当?...うれしいわ。いったい何かしら?」
「ちょっと、あたしの部屋に来てくれる?」
「はいはい。」
ゆうかは、一足先に階段を上がって行く。束紗は、後からゆっくりと階段を上り、2階のゆうかの部屋の前に来る。ゆうかは部屋の前で、両手を後ろに回して待っていた。
「ドアを開けて!」
「なんなの?もったいぶって....」
言われるままに、束紗は部屋のドアを開ける。
「?!」
中を見た束紗は、一瞬言葉を失う。中には、壁から壁に1本の縄が張られていた。一方は束紗頭の位置くらいの高さに、もう一方は胸の辺りの高さで、傾斜がつけられている。また、その縄には、30センチ間隔に瘤が作られていた。
「ゆ..ゆうかちゃん、これは...むっ!」
驚いて振り向こうとした束紗の口に、ゆうかが後ろからガーゼを当てた。ゆうかは後ろ手に、これを隠していたのだ。
「むんっ!...むむむむっ.....」
束紗は、ゆうかの手を振り払おうとしたが、徐々に意識が遠のいていった。ガーゼには、クロロフォルムが染み込まされていたのだ。
(ああ.....)
束紗は、そのまま気を失ってしまった。

しばらくして、束紗は目を覚ます。天井が見える。何処かに寝かされている様だ。起き上がろうと思った瞬間、束紗はようやく自分の体の異常に気が付く。両手首は、背中の高い位置まで捩じ上げられ、がっちりと縄で縛り上げられている。胸の上下にもしっかりと縄が巻かれ、後ろ手の手首ときつく結ばれている。そして驚いたのは自分の格好である。自分の寝室の押入れの奥にしまってあるはずの、中学生時代の体操服とブルマを着せられているのだ。束紗が寝かされているのは、ゆうかのベットだった。ゆうかは、ベットの脇に立って、じっと束紗を見詰めていた。
「あっ...あんっ!...ゆうかちゃん!こ..これはどういう事なのっ?...は..早く解いてっ!...あんっ!」
「本当に解いていいの?お母さん?」
「え?!...ど..どういう事?」
「ふふ...あたし、見たのよ。この間の昼間、お母さんがしていた事.....」
束紗は、顔が真っ赤になった。まさか、あの時の自慰を、娘に見られていたとは........
「あ...あれは.....その.....」
何とか言い訳をしようと思ったが、何も思い浮かばなかった。ゆうかは、両手を後ろに組んで、にっこりとして束紗に顔を近づけた。
「言い訳しなくてもいいのよ。お母さんの気持ち、良く分かるもの....あたしだって.......」
そう言いながら、ゆうかも少し顔を赤らめる。
「でも、今日はお母さんの誕生日だから、あたしは我慢する。お母さんには、たっぷり楽しませてあげるから....」
「ちょ...ちょっと待って、ゆう....むむむっ!」
話し掛けようとした束紗の口に、ゆうかはガーゼを押し込んだ。
「むむむむむっ!むんっ!んんんんんっ!」
そして、その上から瘤付きの手拭を被せ、がっちりと猿轡を噛ませてしまった。
「さあ、お母さん立って!」
ゆうかは、後ろ手に縛られている束紗を立たせ、部屋の中央に連れて来た。
「この縄を跨いで!お母さん!」
もう何を言っても無駄であろう。もっとも、猿轡をされていては何も言えないが....束紗は観念して、言われるままに縄を跨ぐ。
「むふっ!むふうううんっ!」
激しい刺激が、股間に掛かる。ゆうかは、そんな事はお構いなしに、そそくさと束紗の膝と足首を縛り上げる。そして、机の引出しから太いゴムひもを取り出してきて、その片方を束紗のお腹に巻き付けた。
「むっむむ、むむんむむむむんっ!(いったい、何をするつもりなの?)」
ゆうかはゴムひものもう片側をもって、束紗の後ろ側の壁の端まで歩いて行く。
「むむっ!むふうううううんっ!むんっ!むむんっ!」
束紗の体が、後ろに引っ張られる。彼女が跨いでいる縄は、後ろに行くほど高くなっているため、より刺激が強くなる。ずるずると後ろに引っ張られ、束紗を襲う刺激はどんどん強くなって行く。しかも、足首も縛られている為、否応無く飛び跳ねる事になる。それが、更に刺激を増す事になる。ゆうかは、ゴムひもの片側を、壁にしっかりと結びつけた。
「さあ、お母さん!刺激を和らげたかったら、ゴムに負けない様にがんばって前へ進むのよ!」
「むふううんっ!むふん!むん!むむむむんっ!」
束紗は、悶え喘ぎながら、懸命に前に跳ぶ。だが、跳んだ瞬間の刺激に、思わず力が抜けてしまう。その為後ろに引っ張られる力に耐えられず、また後ろに跳ぶはめになる。そこでまた、激しい刺激に襲われる。
「むふっ!ふうううううんっ!んーっ!んんっ!」
束紗は、厳しい刺激から逃れようとして更に激しい刺激に晒されてしまう、無限ループの中に置かれていた。
「お母さん、お誕生日おめでとう!気に入って貰えたかしら?あたしのプレゼント....」
「ふうううんっ!むふっ!むむむむむんっ!」
束紗には、とてもそんな事を考えている余裕は無かった。

ゆうかと束紗の、二人だけの危ない遊戯。当然、夫のひろしにも、誰にも内緒である。しかし、束紗もゆうかも知らなかった。二人の部屋にはB.Bにより、密かに監視カメラが設置されていて、その部屋で行われた行為の一部始終が、ひろしの書斎のビデオに録画されている事を.....二人の遊戯は、全てひろしに筒抜けになっている事を......これらは、全てミスターJの指示であった。



(おしまい)


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